Fender Japan Stratocaster 54-??

言わずとしれたFender Stratocasterです。もちろんMade in Japanね。
スモールヘッド、メイプルワンピースネック、8点止めピックガードと典型的な'57年モデルってやつです。
ピックアップがアメリカ製でも何でもなさそうなので、きっと一番安いグレードのなんだろうね。
中古で3万円ちょっとで手に入れたので、細かな素性は分かりませんけど、1992年製のシリアルナンバーが入ってます。10年ぐらい経ったわけだね。

これは近所にあるハードオフで購入しました。中古リサイクルショップです。熱収縮ビニールにくるまれて展示してありましたが、傷一つなく綺麗な状態でした。ピックガードにピッキングの痕も一つもなく、全く弾かれていない状態だったのです。
普通はその手のギターは「鳴らない」(いい音でボディー全体が震えない、と言うような意味)と言われますが、これを手にしたとき、全然鳴りませんでした(^_^;
ピッキングしても「ぺふっ」ってなモン。お店の人が試奏用のアンプに繋いでくれたけど、オモチャみたいなアンプからはオモチャみたいな音しか出てこない。。。あたりまえだけど。

それでも私は買いましたね。以前からメイプルネックのストラトを探していたということもあって。
その時はVallay AertsのMシリーズがメインだったので、ライブ中に弦が切れたときの予備としてストラトが必要だったのです。鳴らないならば弾き込んで鳴るようにするのも面白いかと。

そんなわけでウチにやってきたストラト君ですが、部屋に運び込んだ瞬間にバラバラに(^_^;

誰がなんと言おうと一度バラす。これが掟だっ!などと大げさなモノではなくて、とにかく現状確認の意味もあって、大抵のギターはすぐにバラされます。

これによると、やはりこのギターは'92年製でした。そうネックに書いてあったもん。
やはりスペックとしては特出した部分は全くなく、平凡なジャパフェンなわけでした。当たり前か。
とにかく傷は無くて、新品同様とも言えなくもない、けど。年数はそれなりに経っているので、ネックのポリ塗装もちょっと落ち着いた色になってていい感じではあります。改造痕も一つもなく、とりあえずほっと一息。
(ストラト系は見た目がちゃんとしててもピックガードを外すとハムバッカーを強引に入れたようなザグリ痕とかが有ったりして肩を落とすことがあります。店頭では確かめにくいんだよね。)

せっかくバラしたので、各部を掃除。埃も入ってるけどオガ屑とかが結構入ってます。ネックポケットにもそれなりに入っていてるので、丁寧に除去しました。

そうそう、ネックのジョイント状態ですが、さすがはフェンダージャパン、これはかなりタイトですぜ。差し込んだら角度はもう出てます。当たり前のようですが、アメリカ製はこの辺はアバウトですね。ネックの位置決めだけでかなり大変な作業になっちまいます。

ひとしきり各部点検、各接点に復活材塗布、清掃を終えたら、組み上げです。特に治す場所も無かったし。気を遣う場所もそれほど無いので、とっとと組上げちゃいます。それから弦を張るわけですが、私がよく使うのはちょっと太めが好み。11 14 18 28 38 49ってなセットです。市販品ではこのあたりまでしか無いのが残念。個人的には12 15 20 30 42 54ぐらいが良いんだけど、今や20のプレインそのものが絶滅種だもんね。時の流れか。

さて。問題なのはナット。市販のストラトはだいたい09~42ぐらいの弦でセッティングされているので、上記の弦は太いのです。専用のヤスリで丁寧に削り込む必要が有るんですけど、、、けど。今回は無視!(^_^; ま、いいぢゃん。シリコン吹いて強引に弦を張ってアーミングを繰り返して力業でアタリを付けると。へへへっ。(後にナットが割れて、結局リペアに出すことになってしまいました。)

さて。早速チューニングをしてみると、当然の事ながらネックが順ぞりになっているわけです。弦高は高くなってて挽肉、ぢゃなくて弾きにくさ100%。その様子をひとしきり確かめた後、弦を緩めてネックを外してトラスロッド調整をします。この手のストラトは外した方が手っ取り早いんです。トラスロッドを緩めたりちょっと絞めたりしてまた組み上げて弦をチューニングしてネックを揺らしたり捻ったりして落ち着かせて様子を見ると。これを数回繰り返せば決まりますね。余談ですが私は「ダウンチューニング」はしません。レギュラーです。

さて。ネックが決まったら次はブリッジ調整。シンクロナイズドタイプですが、ここは好みでベタ付けにします。フローティングの方がサスティンが増えるとか色々言われていますが、演奏中に弦が切れると悲惨なことになるので、ここはベタ付けなのです。そのうちトレモロアームが折れちゃうんだけど、仕方ない。当然の事ながらスプリングは5本です。スプリングを留めるなんちゃらプレート(名前知らない)をスクリューで調節して、絞めすぎず緩めすぎず、ぎりぎりのベタ付けにセットしてます。

ブリッジサドルの高さを調整した後、オクターブを合わせるワケですけど、私の場合は2フレットにカポタストを付けて14フレットで合わせますね。別に1フレに13でもいいんでしょうけど、なんとなく2フレにカポを咬ましますね。何でだろう?
ちなみに弦高はどれぐらいかと言いますと、計ったこと無いので判らないんですよ、これが。いつも適当に弾いてみて調整して、の繰り返しなので、いくつがイイなんて分かりませんしギターによっても違うし。ま、音が詰まらない程度に下げてしまうってトコでしょうか。多少のビビリが出ても気にしやしません。それも音ってことで。

調整はそんなところであちこち見直して終了です。これだけやると見違えるぐらい鳴るようになってます。弦が太くなったって要素が一番でかいんですけどね。早速ウッドストックに持ち込んでみました。当然酔っぱらってる状態で弾くわけです。たまたまJUNさんとの初顔合わせの時がこのギターのデビューだったんですが、2曲ほどガンガン弾いたらあ〜ら不思議、これがまたよく鳴るようになっていたのでした。ひじょーにヨイ感じです。胴鳴りバリバリです。こりゃアタリだなっ!ああよかったよかったってなワケでした。

それからは事実上ナンバーワンで活躍してますが、(注:現在はボニーさんの登場でその座が危うい!2004.03.30)一つだけ気に入らないのが、塗装。別にニトロセルロースで塗れとかって主義ではないんですが、いつまで経ってもギラギラとした光沢がイヤだなぁ。しょうがないけど。バレイアーツの方もポリ塗りでピッカピカしてますが、あれはあれでヨイ。(勝手だよね)
そんなこともあってつい粗雑な扱いになってしまうのですが、それでも全然へこたれないストラトキャスターって、やっぱりかわいーね(^_^;

こんな駄文にお付き合いいただいたあなた。ありがとう。


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