リペアに出しました
お気に入りの赤いフェンダージャパン ストラトキャスターのナットがすり減りました。。。
4月のライブ以降、4弦の開放がビビリまくっちゃってヤな感じです。思いの外、早く無くなっちゃった感じ。この1月に取り替えたばかりなのに。前回は補償の問題があったので、買ったお店から修理に出したのですが、今回はリペアショップに持ち込んでみました。
このショップは、柏駅前にできたフィッシングショップ「OPA!」の小林君に教えてもらいました。彼もまたギター好きで、店内にはピカピカのグレッチ6120を展示しているという入れ込みよう。すばらしい!
さてさて、そのリペアショップに関しまして。
お店の名前は「Thorn Tree (ソーンツリー)」といいまして、千葉県は沼南町の南部手賀沼を見下ろすような丘の途中にファクトリーがあります。この日は斉藤さんが我がストラトを治療してくれました。
この方が斉藤弘幸さん。かなりの腕前を持つギターマイスターであります。
あれ?目をつぶっている。本人はもっと男前でございます。
以前は埼玉県の入間あたりでリペアのお仕事をしていたそうです。
早速作業に取りかかります。
まずは現状のナット状態を確認して、弦を取り外します。4弦部分はやはり減っていて、1フレットとぶつかりそうになってビビリを発生させていました。
ちょいと世間話をしている間に、さっさとナットが外されていました。
で、ナットはオイル漬けの牛骨が入っていたのですが、今回は弦の滑りと音質のバランスから、人工象牙を選択しやした。
透明感のない、ほんのりアイボリーな色をした材です。これはそのナットの厚さを微妙に調整しているところ。
話題はちょいとナットから外れますが、ここソーンツリーではこんなインレイもやっちょります。アバロンをこんなにややこしく象眼で彫り込むとは、、、、ぶったまげ。
実物は実に細かくて、吸い込まれそうな仕上がりでございました。
ちなみにこれはレスポールjr.モデルのボディーです。マホガニーね。
ほかにもアコギのヘッドにも素晴らしいインレイをいれてました。すげぇ。
工房の中にはこんな面白そうなギターがてんこ盛りです。
ソリッドは勿論のこと、アコースティックやセミアコまで1から制作してしまうとのこと。
ネックのヘッド折れなんてのも削りだして治しちゃう!
この傍らにはバスロッドもたくさん並んでいたのが面白いところ。
厚さ調整を終えたナットは、ネックの溝に合わせて内側のRを削るのです。
仕事柄いろんな工作機械をみるけど、このサンダーは初めて見たです。
円筒状のサンダーが、上下に動きつつ高速回転をしている!
内側の調整が終わったナットを取り付けます。
ちょっと固めの瞬間接着剤のような糊で留めてました。
取り付けたナットにスケールでマーキング。これで1弦から6弦までの位置が決まる訳ね。
ほかにもナットの位置決め専用スケールがあって、ナット幅によってフレキシブルに対応できるそうです。
ナット周りを養生して、専用ナットフィラーで溝を切っていきます。
ここからの作業は音にものすごく影響するので、マイスターのスキルが問われるところでもあります。なんか緊張。
ゲージを当てて高さを確認します。
でも、これは目安。後ほどぎっちり詰めていきます。
ファクトリー全景。なかなかいい感じです。
南部手賀沼に繋がる水路が見えちゃってます。
バスでも鯉でもヘラでもタナゴでもなんでも来いっ!
外を見終わったところでナットに戻ります(^^;
弦の溝は切り終わりましたが、まだ高さは高いまま。
これから削り込みます。
弦を通されるストラトくん。
ちなみに名前は「ぶらっでぃー」。
ブラッキーではありません。
弦を張り、さらに高さを細かく調整していくところ。
コンマ数ミリの世界。3次元的な角度もとても重要で、少しづつ合わせていきます。
実際にいたるが弾いてみて、さらに調整を加える行程を何度か繰り返しました。
真剣な斉藤さんもさらに真剣に。
角度も決まり、高すぎる場所も削り込んでついにナット交換かんりょう〜〜!
最後にチューニングをして完成っ!
お疲れさまでした。
約1時間近くの作業中、接客をしてくれたのはこちらのギャルソン「たろう」くん。
素直なしっぽがかわいい美猫ですね。ただ、ツィードのギターケースを見ると反射的に爪研ぎをしてしまうそうで、ツィードの保管場所には気を遣うそうです。
ってなわけで、無事にナット交換が終わりました。
肝心の費用はナット代込みで4800円。
こんだけぎっちり詰めてこの値段ぢゃぁ、、、工房を維持できるのか?
って心配になっちゃうね。ちなみに、このソーンツリーさんは、ショップの依頼を受けてリペアをする
修理専門のお店なので、現在は看板も出ておりません。
しかし、こんな個人の修理もこれからやっていきたいとのことです。リペアを依頼したい方は、こちらまで
04-7191-9797またはつくば市にあるミュージックプラントさん経由での依頼もできますので
こちらもよろしくとのことです。
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