GRECO EG-800

成毛滋モデル。。。だったはず。


ひょんなきっかけからGRECO EG-800を入手しました。
NBCチャプター茨城会長の鈴木匠ちゃんの奥様から譲り受けたのです。

この写真だと綺麗に見えますけどね、結構それなりに年期が入ってます。シリアル等が一切無いのですが、このバックコンター入りのEGが作られたのは74〜75年と、モノの資料にあるようです。


これ以前はEG-360とかEG-450等のデタッチャブルネックで、しかもボディートップがプレス加工されたセミホロウの「カッコだけレスポール」だったんですね。それに比べりゃ本格的な高級レスポールコピーの登場となったワケですが、本家とは様々な点で違いがあって、「レスポール風のグレコオリジナル」と言った意味合いが強いかもしれません。

それを裏付ける最たる例がこれ。バックコンター!
本家には無いアイデアですが、弾いてみるとコレが実によろしい。違和感無く弾けるのですよ。ホント。
この辺のアイデアは成毛滋さんのアドバイス、と言われていたのですが、どうもそれはEG-700までのことらしい。
横から見るとこんなかんじです。体に当たる部分が自然にえぐられているのです。
ボディを下から見るとこう。
トップはメイプルのよう。バックは二層になっていて、中間は3ピース、バックのバック(?)は2ピース。それぞれの階層の間には薄いメイプルっぽい板が挟まれていて、さながら寄せ木細工のよう。
そのトップのカービング加工も、、、ベントしてんのか?ってな印象が強いです。Rが付いてるだけ、みたいな感じ。ちょいと反り返ったような優雅な曲面ではありません。
ネックはメイプル3ピースで、ヘッド部分が耳貼りされて5ピースになっています。しかもセットネックのヒール部分にさらに3ピースの部材が貼られているので、、、何ピース?
ココでも容赦ないほどの寄せ木細工を見せてくれます。

その芸術的な寄せ木細工ですが、理由は全くワカリマセンが、何故かボディーのセンターがずれているのです。なんでだろ〜〜〜?

バックのバックのセンター付近には2ピースの接着面が有るのですが(黄色の線)、これを延長するとネックのセンター(水色の線)から約1.5゜もズレる。

バック同様、トップのメイプルの継ぎ目も当然ズレてます。

こういう仕様なのか、ルータにセットするときにズレてしまったのかは解りませんけどね。
(ちゅーか、検品の段階でハネないか、普通。)

ブリッジとテールピースとリアピックアップ。
ピックアップは当時最高峰のU-2000に画期的なパワーを解放するオープンタイプカバーが付いてます。ジャズロック型高級マイクよりも高級。のはず。

ブリッジはこんなヤツ。サドルがやたら錆びています。けど、まだまだしっかりして使用には耐えちゃいますね。
ところで、この向きって反対ぢゃないの?

テールピースの素材はちょっとわかんないな。軽めです。まさかアルミ?

ブリッジもテールピースもアンカー止めです。そのブッシングにはナイロンのワッシャが挟まれております。

リアピックアップのキャビティーは結構ラフな修正が加えられてたりします。手作業の良さかな?
っても、フロント方向のザグリは、エスカッションからほんのすこしはみ出てます。ダメぢゃんか!

フロントピックアップとキャビティーでやんす。

セットネックのジョイントは伝統の丸棒ツッコミジョイント!これぞ富士弦楽器の神髄!.....と言うかどうかはよく分からないけど、とにかくいつものように2本の丸棒が埋め込まれます。これによりネックとボディーの接合がより完全な形になる、んだろうな。これが嫌いな人は東海ファンになりますね(^_^;

コントロールキャビティーはこんなです。

特に特徴もないけど、、、カバーを留めるビスが2本余計な6本止めってところに意地を感じます。(意地なのか?)

ポットもキャパシターもオリジナルのまま。価値があるかどうかは知りませんけど。

グレコのヘッドインレイはこのタイプです。グネコロゴよりも新しいヤツですね。

で、前オーナーが前々オーナー(購入者)より譲り受けたときには「GIBSON」と書き加えられていたそうな。私の手に渡るに伴い、匠ちゃんがせっせと消してくれたのです。

でも、その傷跡がちょっと甘酸っぱくも悲しい青春のおもひで、ってところかな〜?

 

さて、肝心の音ですが、当初は音も出ませんでしたが、接点の酸化部分を磨いたりして復活しました。ちゃんと鳴ります。っつーか、かなり鳴るかも! ただ、ピックアップはお世辞にもパワーが有るとは言えませんので、ハイゲインサウンドを求める人向きでは無いな〜。(っつーか、普通の人は買わないか、コレ)

ネックはちょいと薄く、低いフレットも相まって弾きやすいイメージですね。早いパッセージとかのごまかしが利いちゃうようなフレットボードです。

にしても、生産から約28年を経ているわけですね、これ。 当時はいたるちゃん12歳とかだ。貰い物のクラシックギターにスチール弦を張って弾いていた頃です。 翌年フォークギターを買って、その後GRECO EG-360改を入手したのが初のエレキだったんですけどね。その当時は高値の花で、イケベ楽器で「見る」ことしか出来なかった高嶺の花でございました。


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